2021.10.18
私が精神的に元気になったのは、
「私は私自身のことを
何にもわかっていない」
と思うようになってからでした。
自分自身のことをわかっていると
思いこんでいる人ほど
悩みのドツボにはまりやすい
気がしています。
* * *
最近「意識は氷山の一角」
という話をする機会が
多いので、
「折角なのでかわいく
ネコトバの絵で描いたら
いいんじゃね?」
と思って描きました。
そもそも意識が氷山の一角
っていう説は、
心理学者のフロイトが
言い出したようですね。
私はフロイトの説自体は
色々と思うところがありますが、
「意識は氷山の一角」は
非常にうなずけます。
というよりも、
そう思っておいたほうが
健康に生きられる気がしています。
自分もそうでしたけど、
心が病んでいる時って
「自分のことはちゃんと
自分でわかっている」と
思い込みがちになるんですよ。
もうとっくに心が悲鳴を
上げているのに、
「このくらいならまだ
耐えられる」と
思い込んでいたり。
「私の未来なんてどうせ
こういう悪い方向へ行く」
と思い込んだりね。
自分の能力や可能性を
ぜんぶ把握したつもりに
なっているから、
そんな不安が出てしまうのです。
心の世界や己の人生は、
自分1人なんかの力で
把握できるほど
わかりやすいものじゃないんですね。
だからこそ面白いのですが。
* * *
「私は私自身のことを
何にもわかっていない」
と思うようになってから、
私はたくさん自分自身に
問いかけるようになりました。
・今、本当は何がしたいのか?
・なぜ「やりたい」と
思っているのにできないのか?
・踏み出すことを妨げるものは何か?
・私が抱えているしがらみとは何?
・一番やりたいことを後回しにする理由は?
・今抱えている不満は何?
・自分には価値があると感じるために、
どんなことが効果的だと思うか?
などなど……。
不思議なことに、何度も問いかけると
自分は自分に答えてくれるようになります。
ちゃんと、本音で。
また、それを習慣づけていると
人との対話の中で
ポロッと本音が漏れ出たり、
本音に気づけるチャンスが
よく出てきたりするんですよね。
私たち人間は、本音を押し殺して
「思考」でうまく人生を
渡ろうとしがちな生き物です。
昔はそれでうまく
行っていたのかもしれないけど、
もうごまかしが効かないので
精神的な病にかかる人が
増えているのかもしれません。
思考で抑えつければ抑えつけるほど、
水面下の「無意識」はどんどん
膨れ上がっていきます。
「無意識」に隠されたものを
どれだけ意識できるか。
いや、
「意識し続けられるか」が
キーポイントです。
人はすぐ忘れる生き物だから、
1回意識しただけじゃ
ダメなんですね。
「私たちは、自分自身のことを
何もわかっていない」と
どれだけ気にし続けていられるか。
このところ、人の心の健康は
そこにかかっている気が
してならないのです。
ごきげんよう、さようなら。
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